良い管理と、崩れやすい管理
良い管理の例としてよく知られているのが、プロ野球で活躍した金子千尋投手(オリックス→日本ハム)です。 ウェイトルーム、グラウンド、試合前、試合中、食事という各フェーズごとに摂取するサプリメントや栄養を明確に決め、 ルーティン化していたと言われています。
一方で、管理不足による典型的な失敗が、足のつりです。特に投手は、登板中のふくらはぎの攣りで降板するケースも見られます。
数値で見る、感覚に頼らない
体重測定などの客観的な数値管理(体組成、柔軟性、筋力等の定期測定)によって、 感覚だけに頼らないモニタリング体制を作ることが重要です。 脱水やコンディション不良は、本人が自覚しにくいことも多いためです。
トレーナー1人が見られる人数には、限界がある
パーソナルトレーナー(1対1)とチームトレーナー(1対多数)では、役割が大きく異なります。 プロ球団では選手100名規模に対してトレーナーが十数名程度、というケースもあり、個別対応には限界があります。 だからこそ、基準やシステムづくりが求められます。
選手自身が身体への関心とリテラシーを持ち、成功例・失敗例を知識として蓄積していくこと。 それが、トレーナーとの良い協働につながります。
プロと高校野球、負担のかかり方が違う
プロ野球はほぼ連戦(週4〜6試合)ですが、複数の投手でローテーションを回すことができます。 一方、高校野球はトーナメント制で連戦は少ないものの、エース投手一人に負担が集中しやすい構造があります。
桑田真澄投手の甲子園での連投のように、「最後の夏」への思いから、指導者・選手双方が追い込みすぎてしまう傾向も、 高校生特有の課題として挙げられます。
「休む勇気」を持てるかどうかも、
コンディション管理の一部。
走り込みで伸びる選手もいれば、同じ負荷で潰れてしまう選手もいます。 個人の特性に応じた、データに基づく個別対応が望ましいのは、こうした理由からです。
ルーティンは、フェーズごとに決める
崩れない選手に共通しているのは、「その場その場で考える」のではなく、 フェーズごとに何を摂り、何を確認するかをあらかじめ決めていることです。
| フェーズ | 確認すること | ルーティン化しやすい項目 |
|---|---|---|
| 起床時 | 体重、食欲、睡眠の質、身体の重さ | 起床直後の体重測定、簡単な自己チェックシート |
| 練習・試合前 | ウォームアップでの動きの硬さ、痛みの有無 | 決まった順番でのアップメニュー |
| 練習・試合中 | 給水のタイミング、疲労のサイン | イニングごと・セットごとの給水ルール |
| 練習・試合後 | 補食、ケア、翌日への引き継ぎ事項 | 着替え・補食・ストレッチの順番を固定する |
※ルーティンを複雑にしすぎると続きません。まずは1〜2項目からで十分です。


